日本ではサミー・ソーサ外野手を筆頭に「打のチーム」のイメージが強いカブスですが、近年は「投のチーム」へと変貌を遂げています。

チームの骨格は、ケリー・ウッド、マーク・プライア、カルロス・ザンブラーノ、そしてマット・クレメントという、軽く球速150キロをマークするいずれも若手の速球派投手陣。ここに2004年からグレグ・マダックス投手が復帰し、経験というこのチームに最も必要な要素が追加されました。これらローテーション5投手の評価は非常に高く MLB 屈指のメンバーであることに疑問の余地はないでしょう。

打撃陣はサミー・ソーサ外野手、モイセズ・アルー外野手の両ベテランコンビを中心に、粘り強い打線を形成。さらに2004年はゴールドグラブ賞受賞の好守に俊足・強打を兼ね備えたデレック・リー、さらには2度の首位打者に輝く「ボストンの貴公子」ノマー・ガルシアパーラが加わり、攻守ともに厚みが増しました。

これら個性派軍団をまとめ上げるのは、3度の最優秀監督に輝く名将ダスティ・べーカー。サンフランシスコ・ジャイアンツの監督を10年務めた後、2003年よりカブス監督となっています。初年度からいきなりチームを地区優勝に導き、ジャイアンツ時代に続いて2年連続のリーグ制覇まであと一歩まで迫りましたが、惜しくも及びませんでした。



2004年後半戦メンバー(成績は2004年9月23日時点)
打撃 名前 背番号 守備 打率 本塁打 打点 盗塁 誕生年 デビュー年
1/両 コリー・パターソン 20 中堅 .277 23 68 32 1979 2000
2/右 デレク・リー 25 一塁 .289 31 96 11 1975 1997
3/右 ノマー・ガルシアパーラ 5 遊撃 .299 4 16 12 1970 1995
4/右 モイセズ・アルー 18 左翼 .288 37 98 3 1969 1990
5/右 サミー・ソーサ 21 右翼 .256 33 76 0 1968 1989
6/右 アラミス・ラミレス 16 三塁 .319 34 100 0 1978 1998
7/左 トッド・ウオーカー 7 二塁 .274 15 50 0 1973 1996
8/右 マイケル・バレット 5 捕手 .302 16 64 1 1976 1998

投球 名前 背番号 勝ち 負け セーブ 防御率 誕生年 デビュー年
ケリー・ウッド 34 先発 8 7 0 3.56 1977 1998
グレグ・マダックス 31 先発 15 10 0 3.70 1966 1986
マーク・プライア 22 先発 6 4 0 4.59 1980 2002
マット・クレメント 30 先発 9 13 0 3.68 1975 1998
カルロス・ザンブラーノ 38 先発 15 8 0 2.64 1981 2001
マイク・レムリンガー 37 中継 0 1 0 3.27 1966 1991
ケント・マーカー 50 中継 3 0 0 2.13 1968 1989
ラトロイ・ホーキンス 32 抑え 5 4 23 2.53 1972 1995

サミー・ソーサ #22
Sammy Sosa
MLB | ESPN | BR | CBS

1968年 ドミニカ共和国生まれ
1989年 シカゴホワイトソックスにてメジャーデビュー
1992年よりカブス在籍

【タイトル】MVP (1998), 本塁打王 (2000,2002), 打点王 (1998,2001)
オールスター (1995, 1998-2002)
98-99年と続いたマーク・マグワイアとの本塁打王争いで世界に名をはせたソーサ。98年はチームをポストシーズンにも導き、自身はMVPと打点王を獲得。一躍スターの仲間入りを果たした。結局、初の本塁打王は2000年までお預けになったが、シーズン60本塁打以上を3度(1998-99, 2001)も達成している。

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モイセズ・アルー #18
Moises Alou
MLB | ESPN | BR | CBS

1966年 ジョージア州アトランタ生まれ
1990年 ピッツバーグパイレーツにてメジャーデビュー
2002年よりカブス在籍

オールスター出場 (1994,1997,1998, 2001)
タイトル獲得といった派手さはないのもの、チャンスに強く、頼れる4番バッターである。2003年リーグ優勝決定シリーズにて、ファンにファールボールを取られてしまった左翼手として、繰り返し映像が放映されたことでも有名?

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アラミス・ラミレス #16
Aramis Ramirez
MLB | ESPN | BR | CBS

1978年 ドミニカ共和国生まれ
1998年 ピッツバーグパイレーツにてメジャーデビュー
2003年よりカブス在籍

16歳でパイレーツと契約し、19歳でメジャーデビューした早熟のスラッガー。2003年シーズン途中よりパイレーツより移籍。移籍後よりチーム成績も上昇し、自身もチームトップの106打点を獲得。地区優勝の功労者の一人となった。

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ノマー・ガルシアパーラ #5
Nomar Garciaparra
MLB | ESPN | BR | CBS

1973年 カリフォルニア州ウイッテア生まれ
1996年 ボストンレッドソックスにてメジャーデビュー
2004年よりカブス在籍

【タイトル】新人王(1997)), 首位打者 (1999,2000)
オールスター出場 (1999,1999,2000, 2002, 2003)
デビューからレッドソックス一筋。ボストンの貴公子とも謳われたが、怪我のため2004年は欠場が続き、カブス移籍となった。カブスにとっては長年の懸案であった遊撃手の問題が解決し願ってもない補強となった。夫人はアメリカ女子サッカーのスーパースター、ミア・ハム選手。

デレク・リー #25
Derrek Lee
MLB | ESPN | BR | CBS

1975年 カリフォルニア州サクラメント生まれ
1997年 サンディエゴパドレスにてメジャーデビュー
2004年よりカブス在籍

【タイトル】ゴールドグラブ賞(2003)
2004年よりチャンピオンチーム・マーリンズより移籍。走攻守3拍子揃った名選手。父は日本で、選手(ロッテ→大洋→ヤクルト)としても監督(オリックス)としても活躍したレオン・リー。

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トッド・ウオーカー #7
Todd Walker
MLB | ESPN | BR | CBS

1973年 カリフォルニア州ベイカースフィールド生まれ
1996年 ミネソタツインズにてメジャーデビュー
2004年よりカブス在籍

2004年よりレッドソックスから移籍。同じくレッドソックスから移籍してきたガルシアパーラ遊撃手とのコンビネーションが楽しみである。

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ケリー・ウッド #34
Kerry Wood
MLB | ESPN | BR | CBS

1977年 テキサス州アービング生まれ
1998年 カブスにてメジャーデビュー

【タイトル】新人王 (1998), 奪三振王 (2003), オールスター (2003)
同郷のノーラン・ライアン、ロジャー・クレメンスと並び称される球界屈指の豪腕投手。メジャーデビュー5戦目にしてメジャータイ記録となる1試合20奪三振を達成し、その名を全米に知らしめた。 その後は肘の故障に泣いたが見事に復活。いまや2年連続の開幕投手と、カブスのエースとして君臨している。

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グレグ・マダックス #31
Greg Maddux
MLB | ESPN | BR | CBS

1966年 テキサス州サンアンジェロ生まれ
1986年 カブスにてメジャーデビュー
2004年よりカブス復帰

【タイトル】サイヤング賞 (1992-5), ゴールドグラブ賞 (1990-2002)
最多勝 (1992, 1994-5), 最優秀防御率 (1993-5, 1998)
オールスター (1988, 1992, 1994-8, 2000) 
「90年代最高の投手」「精密機械」「マッド・ドッグ(狂犬)」と数々の異名をもつマダックス。抜群の制球、緩急自在のスライダーを武器に常勝ブレーブスの黄金期を支えてきた。 2004年より12年ぶりにカブス復帰。8月に史上22人目となる300勝の偉業を成し遂げた。

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マーク・プライア #22
Mark Prior
MLB | ESPN | BR | CBS

1980年 カリフォルニア州サンディエゴ生まれ
2002年 カブスにてメジャーデビュー

オールスター (2003)
2003年は勝利数・奪三振数ともにリーグ2位、サイヤング賞投票も3位とメジャー2年目にして早くもリーグ屈指の豪腕投手への階段を登り始めている。2004年シーズン、キャンプにてアキレス腱を痛め、開幕時は故障者リスト入り。復帰後も調子があがらずファンをやきもきさせている。

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マット・クレメント #30
Matt Clement
MLB | ESPN | BR | CBS

1974年 ペンシルベニア州バトラー生まれ
1998年 サンディエゴパドレスにてメジャーデビュー
2002年よりカブス在籍

パドレス時代は制球に難があったが、カブス移籍後は改善され2年連続の2桁勝利と安定した成績を挙げる。トレードマークのあご髭のおかげで、登板日の球場ではつけ髭のファンを多数見ることができる。

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カルロス・ザンブラーノ #38
Carlos Zambrano
MLB | ESPN | BR | CBS

1981年 ベネズエラ生まれ
2001年 カブスにてメジャーデビュー

若いカブス投手陣を象徴する22歳。メジャー3年目にしてローテーション入りを果たし、見事に13勝をあげた。その才能はケリー・ウッド、マーク・プライアー以上とも云われ、今後の成長が楽しみな逸材である。

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